
原則として、代表者や役員は労働保険の対象外です。
しかし、中小企業では、役員でも一般労働者と同様に働いていることが少なくありません。
そこで、一定の要件に該当する役員については、労災・雇用保険の対象となります。
● 労災保険に該当する役員
業務執行権のない取締役・理事等で、事実上、業務執行権のある取締役・理事等の指揮監督を受け、労働に従事し、
その労働の対償として賃金の支払いを受ける者
● 雇用保険に該当する役員
代表者以外の役員等で同時に部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者で、報酬支払・就労実態等から
みて労働者的性格が強く、かつ雇用関係があると認められる者
労働保険において、賃金総額とは、使用者がその事業に使用する労働者に対して、賃金、手当、賞与その他名称の
いかんを問わず労働の対償として支払うすべてのものをいいます。
今回の年度更新では、平成21年4月分~平成22年3月分の賃金を集計します。
下記一覧を参考に、集計に含める賃金・手当かどうかを確認してください。
特に、通勤定期券を現物で支給している場合は、賃金総額に算入し忘れることが多いので、 気をつけましょう。
| 賃金総額に参入するもの | 賃金総額に参入しないもの |
|---|---|
|
基本給・固定給等基本賃金 超過勤務手当・深夜手当・休日手当等 扶養手当・家族手当 宿日直手当 役職手当・管理職手当等 地域手当 住宅手当 教育手当 単身赴任手当 技能手当 奨励手当 調整手当 賞与 通勤手当 定期券・回数券等 休業手当 雇用保険料その他社会保険料 (労働者の負担分を事業主が負担する場合) いわゆる前払い退職金 (給与や賞与等に退職金相当額を上乗せして支払うもの) |
休業補償費 結婚祝い金 死亡弔慰金 災害見舞金 増資記念品代 私傷病見舞金 退職金 解雇予告手当 (労働基準法第20条の規定に基づくもの) 年功慰労金 出張旅費・宿泊費等(実費弁証的なもの) 制服 会社が全額負担する生命保険の掛け金 チップ (奉仕料の配分として事業主から受けるものを除く) |
労災保険料算定の際は、アルバイトやパートタイマー等臨時労働者の賃金も含めます。
労災保険は、名称や雇用形態にかかわらず、労働の対償として賃金を受け取っているすべての労働者が対象となるからです。
一方、雇用保険は次の要件を満たす労働者のみ対象となります
①労働時間、賃金、その他労働条件が就業規則、雇用契約書等で明確に定められていること
②1週間の所定労働時間が20時間以上であること
③31日以上引き続き雇用される見込みがあること
雇用保険は、対象となる労働者も一部保険料を負担します。
毎月の賃金から雇用保険料を天引きしているか、ハローワークに『雇用保険被保険者資格取得届』を提出しているかを確認しましょう。
労働保険(労災・雇用保険)の保険料は、保険料算定期間中(平成21年4月1日~平成22年3月31日)に支払われた
賃金総額に基づいて算出されます。
したがって、年度の途中で退職した従業員や休職した従業員の賃金も賃金総額に含めます。
保険料算定期間中(平成21年4月1日~平成22年3月31日)に支払うことが具体的に確定した賃金は、期間中に
支払われなくても賃金総額に含めます。
例えば、退職前に支払うことが決まっていた賞与は、退職日を過ぎてから支払われたとしても労働保険料算定の基礎に含めます。
もちろん、退職前に雇用保険に加入していた場合は、賞与から雇用保険料を天引きします。
64歳以上の高年齢労働者(毎年4月1日現在において満64歳以上である方)は雇用保険料が免除されます。
(任意加入による高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)
したがって、これらの高年齢労働者に支払われた賃金は、雇用保険料算定基礎となる賃金から除外されます。
平成21年度の確定保険料が免除になるのは、昭和20年4月1日以前に生まれた方
平成22年度の概算保険料が免除になるのは、昭和21年4月1日以前に生まれた方